◆女子高生

 桜舞い散る四月。私、飯島小春は私立王城学園に入学した。
 親友の奈緒は芸能人の桜庭?とかいう人目当てでがんばったらしいけど、私は元々ここを目指していた。
 学校の設備がいろいろと充実していて、ただ専門系の高校に進学よりもいろいろな資格が取れる。
 それに校舎の設備も大きくて綺麗で、この裏庭の桜並木も綺麗。
 それにしても……いい制服だよね。超かわいいと私は思うな。
「きゃっ」
 不意に強い風が吹きぬけた。
 スカートの裾を右手で押さえ、飛び上がる茶色の髪を押さえた。
 女子高生になったってことで、染めた髪と短くしたスカートが、今だけは恨めしい。
「水色」
 小さく聞こえた声にバッと顔をあげると、そこに居たのは眼鏡を掛けた背の高そうな人。
 新入生みたいなパリッとした感じのない制服だし、多分先輩だよね。
 恥ずかしさに思わず顔が熱くなる。
「わ、悪い。悪気があったわけじゃ……」
「悪気があったら困ります」
 あわてて否定した先輩の顔も赤い。
「そうだな」
「……………」
「……………」
 両者の沈黙が重い。
「わ、私……、入学式遅れるんで」
 意を決して口を開く。
 顔はまともに見れずに走ってその場を後にしようとした。
「待って!」
 手を掴まれて体がぐらってよろめく。
「っ!」
 こけるって思ったけど、体に襲ったのは決して痛みではなくて、浮遊感。
「?」
 思わず瞑ってしまった目をほんの少しだけ開けると、視界いっぱいに先輩が……
「あ……」
 抱きしめられてるって気づいた時にはもうそっと立たせてくれていて、先輩はにこって優しそうな笑みで微笑んでくれた。
 奈緒、いたよ。あんたの大好きな桜庭?だっけ。よりもかっこいい人。
「俺、三年の高見っていうんだけど、名前は?」
「飯島小春です」
「じゃあ、飯島ちゃん。俺と付き合ってみない?」
「え!?……えっと、大歓迎です」
 そんでもって、あんたには悪いけど、先に女子高生らしく彼氏、作らせてもらうよ。



⇒あとがき
 即興文です。狂作文とも読みます(笑)
 高見さんのキャラがつかめない&コミックスが手元にない状態で書いている時点でアウトでしょう?
 っていうか、大歓迎ですって告白の返事になるのかなぁ?
20040827 カズイ
20070326 加筆修正
res

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