◆私が何をした!

 あ、ボスが私をお呼びだししてる気がしますー。

 思わず心の中でそう考えながら現実からとにかく目を反らす。
 それはもう全力で。
「クフフ、現実から目を反らしても無駄ですよ飯島小春」
 頭が完全に逃避モードになっているのをわかってわざわざ釘を差してくださる。
 しかもフルネームの名指しで間違いなし!
 なんていじめですかこれ!
 いや、多分私が悪いんだろうけど!!

 私は我らがボンゴレの最強ヒットマン、別名鬼畜ボーイなリボーンに頼まれて山のような書類を運んでいた。
 自称だけではない力持ちな私ですが、身長は可愛そうなくらいに小さいのです。
 四捨五入って言葉が一捨二入くらいだったら150cmに届くけど……言うだけ悲しくなってくるからやめとく。
 そんな訳だから、私の視界は書類によって遮られていた。

 そして彼―――六道骸氏は普段滅多に来ないくせに今日に限ってボンゴレの屋敷の中に居た。
 大方任務のため、ボスに呼ばれてってところだろうけど、何故私とぶつかったし!
 そして何故、私は六道氏を押し倒してるんでしょうか……
 なんとも言えない沈黙に、汗が流れ出てきそうだ。
 どうあってもこんな偶然あり得ないでしょ!
 大体六道氏はマフィア嫌いのマフィア。
 こちとら怪力を見込まれてリボーンにヘッドハンティングされ、その怪力を是非とも鍛えたいとか言って笹川氏にボクシングを叩き込まれ、何故か別機関であるはずのルッスーリア氏に気に入られてムエタイもやらされ、面白いからと言う理由でコロネロに強制合宿やらされて、地獄を越えて強くなったと思ったのに草食動物は群れるなと会う度雲雀氏にトンファー持って追いかけられまくるせいで無駄に逃げ足を鍛えられた、元ティベローネファミリーの下っ端ですよ。
 ……自分で言っててどうにもおかしい経歴だが考えるのは止めよう。
 元からボンゴレだったならまだしも、私はボンゴレが壊滅させたマフィアにいた。
 一応生まれも育ちもマフィアの生粋のマフィアと言うわけです。
 親がティベローネだったからティベローネに居ただけだから未練はないんですがね。
 唯一の肉親であるパパンは今は自由の身で早めの隠居生活を開始しちゃってるし……
「……飯島小春。長々と現実逃避するのはいいですが、早く退いてくれませんか?」
「ぎゃー!もももも申し訳御座いません!!」
 慌てて六道氏から退き六道氏に頭を下げた。
 飛び散った書類も集めなきゃ!!
「……クフ」
 バタバタと慌てて書類をかき集めていると、その様子を見ながら六道氏が微笑んだ。
 超怖いんですけど!!
 背中に冷や汗をだらだらと流し、私はその場を全力ダッシュで後にした。

 その後現れたらしい雲雀氏と六道氏が玩具と言う名の私の所有権争いをして屋敷を半壊にし、私がリボーンに怒られるのはまた別のお話。

 私が何をした!



⇒あとがき
 携帯でポチポチとちまちま打たせていただきました。
 うん微妙だぜぃ☆
20080421 カズイ
20080622 加筆修正
res

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -