□願わずにはいられない
この耳を切り落とせば聞こえなくなると言うのなら今すぐ切り落としてしまいたい。
だが聞こえる言葉は間違いない事実なのだ。
「やめろ。いずれにしろゼロは死んだんだ」
認めるしかない。
そうは言っても信じたくはないとも思う。
千葉の言うことももっともだ。
最終決戦で指揮官がいなくなるなど、裏切りでしかない。
扇の言うように何か事情があったのだろうか。
だとすれば俺たちを頼ってはくれなかったのも裏切りだ。
玉城のように今だゼロがいればと願うものは少なくない。
そんな彼らの気持ちへも裏切りだ。
ゼロが死んだと言うのなら、彼が望んでいると言った優しい世界にはならなかったが、良かったのではないかとも思う。
黒の騎士団を率いる者としては彼は少々危ういのではないかと感じ始めていたからだ。
その矢先にあれだ。
彼は死んだほうが幸せだったのではないだろうか?
そう思う自分もいる。
だが……
(ゼロは生きている)
そう思う自分もいる。
頼むからゼロ、この気持ちまで裏切ってくれるな。
⇒あとがき
R2見た後の突発ですw
20080407 カズイ