□結局
黒の騎士団のアジトにあるゼロの私室。
そこには部屋の主であるゼロの他にいつも一人の少女がいた。
いや姿こそ少女であるが、彼女はまったくの年齢不詳・正体不明である。
わかっていることは以外に少ない。
薄黄緑色の長い髪を無造作に伸ばす。その白い肌はどうがんばっても日本人には見えない。
謎の白い拘束具のついた服を着て、当たり前のように黒の騎士団の内部を歩き回る。
好物はピザで、優先事項はピザとゼロの命である。
彼女はこの黒の騎士団で唯一ゼロの正体を知る人物。
名をC.C.と言う。
「人間の名前じゃないな」
と、ゼロが言ったことがあるのだが、周りは名前を特に気にしたことはない。
なにしろゼロも偽名であることは確実なのだから。
「結局のところどっこいどっこいじゃないですか?」
朝比奈は暢気に笑う。
「俺にしてみればどっちも怪しいですから」
きっぱりと言い切るくらいの勢いで朝比奈は言ってしまった。
人の多い場所で。
この場にカレンやディートハルトと言ったゼロに心酔している面々が居ないのは幸いだった。
だが確かに、と何故この話題を振ってしまったのだろうと自己嫌悪していたは卜部は妙に納得してしまった。
⇒あとがき
ひねた感じ。だけどまっとう軍人卜部さんが書きたかっただけ。
20070526 カズイ