□あしあと

 白い砂浜は歩くと体重の負荷もあってか、あしあとが残る。
 だけど波が来て消える。
 儚い。
「ナオト!」
 遠くから声が声が聞こえて振り返る。
 親友の要。
 天然の髪がヤツを俺よりちょっと老けさせて見せる。
 哀れなやつ。
 おっと、これはどうでもいい。
「何してるんだ?」
 不思議そうに歩いてくる要。
 歩くたび、砂がさくさくと音を立てる。
 要が通った場所にあしあとが残る。
 あそこまで、波は届かない。
「ナオト?」
「なんでもねえよ。ただの暇つぶし」
 俺はにっと笑う。

 あしあとの儚さは、命の儚さに似て

 俺はきっと、早死にするんだと思う。
 漠然と、最近よくそう思うようになった。

 なぁ、要。
 こんな事言ったらお前、怒るかな。
 それとも……



⇒あとがき
 なに脳内奇跡を起こしてるんだ私の脳みそ(汗)
20070527 カズイ
res

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