□むかし
「ちぇっくめいと、です」
「っ……はぁ、また私の負けか」
「くろにいさまは"つめがあまい"のですよ」
「ルルーシュ、意味判って言ってるかい?」
ルルーシュはふるふると首を横に振った。
「それは誰が言ってたのかな?」
にっこりと微笑んで聞けば、ルルーシュはえへへと釣られたように笑っていった。
「しゅなにいさまです」
「"しゅなにいさま"……ね」
「くろにいさま?」
心配そうに下から顔を覗き込むルルーシュを私はそっと抱きしめた。
「事実と言えば事実だろうけど……」
「?」
「ルルーシュはシュナイゼル兄上からいつ聞いたのかな?」
「きのうです」
「……昨日、ね」
なにしてんだあの人は。
政務にもう関わってる癖に、忙しくないのか!
いつもいつも私と可愛いルルーシュの邪魔ばかりして……
出てこられたら勝ち目ないのはわかってるから余計に腹が立つ。
「くろにいさま?」
「なんでもないよ、ルルーシュ」
まだ幼いルルーシュを安心させるよう私はいつものようにルルーシュの身体をぎゅうっと抱きしめてあげた。
⇒あとがき
仲良しクロルル。てかルルさま神童?
20070527 カズイ