□私とルルーシュ
「兄上、次は兄上の番ですよ」
どうぞとルルーシュが示す。
「ねえ、ルルーシュ」
「はい?」
机の上に肘をついて次の手を待っているルルーシュに私は言った。
「昨日は……」
「昨日はシュナイゼル兄さまに呼ばれてチェスをしていました」
淡々と言う口調で言葉を遮られてしまった。
やっぱり。
こんなことならシュナイゼル兄さまにルルーシュのおとを言わなければよかった。
ルルーシュとチェスをするのは私だけで十分だ。
「……ボクは"兄上"でシュナイゼル兄さまは"兄さま"なんだね」
「前からそう呼んでたじゃないですか」
面倒くさげにルルーシュはそう言い、視線をようやく私に向けた。
きれいなアメジストの双眸がじっと私を見上げている。
上目使いの視線に私は思わずうっとなる。
「……寂しい、とか?」
小憎らしい笑みでルルーシュは言う。
「兄上が僕に勝ったら考えますよ」
「言ったな。今日こそ絶対に勝つ!」
私はポーンを手に取った。
「……現在進行形で負けてますが?もちろん、兄上が」
「!?」
本 当 だ ! (汗)
⇒あとがき
何がしたかったんだ、自分。
20070422 カズイ
20070527 加筆修正