ゼロの正体に気づいたら

 ゼロがルルーシュだと気付いてしまったら答えは簡単だった。
「僕、軍を辞めるよ」
 突然言われた言葉にルルーシュはうろたえた。
 あの合図で屋上に呼ばれたと思ったらいきなりそう切り出されたのだから。
「なんで……」
「ゼロは僕がランスロットのパイロットだと気付いた瞬間急に動きが可笑しくなった。それって君がゼロだったってことだよね?」
「それだけで俺をゼロだと判断するな。それに軍を辞めるってどういうことなんだ?」
「言葉通りだよ。君がゼロなら僕は軍を辞める。ルルーシュがゼロだってわかったら怖くてランスロットにももう乗れない」
「辞めたらお前……」
 イレブンの扱いは酷い。
 名誉ブリタニア人の扱いは酷い。
 だが名誉ブリタニア人となったスザクがイレブンに戻るとしたら?
 最悪機密を知っていると言うことで名誉ブリタニア人のまま歴史の闇に消されるかもしれない。
 考えるだけでぞっとする。
「大丈夫。辞めるといっても正式に書類は通さない。通したら危ないだろうことは昨日よくわかったし」
 セシルのどうして?と言う顔にスザクはそうすることの危険性に気付いたのだ。
 別に彼女が悪いと言うわけではない。
 その台詞からただ感じ取っただけなのだから。
「僕はルルーシュの味方だ。ルルーシュが望むなら君の傍に居る」
「無理だ」
「無理でもどうにかしよう?じゃなきゃ僕ユフィの騎士にならなくちゃいけないし」
「……お前考えるの放棄したな?」
「うん。だって考えるの苦手だし、僕なんかよりルルーシュの方がいい作戦立ててくれそうだもん」
 ルルーシュは眉間に皺を寄せた後ため息をつき「わかった」と返事をした。
「お前を敵に回すよりは簡単だからな」
 ふわりとルルーシュは微笑んだ。
「ルルーシュ!」
「ほわぁ!?」
 その笑みを直視したスザクはルルーシュの身体に勢いよく飛びついた。
「なななななんで抱きつく!?」
「だってうれしいから」
 身体を強張らせたルルーシュだったが、嬉しそうに擦り寄るスザクにほっと息を吐きながらその身を預けた。
「暖かいな」
「そうだね」
 顔を見合わせると自然と唇が重なった。



⇒あとがき
 よし、ちゅーまではいけた。頑張れスザク。
 でもだもんって気持ち悪いよスザク。←書いたの自分ww
20080326 カズイ
res

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