騎士の話を断ったら

 最後、ゼロの動きが可笑しかった。
 あれはどういうことだろう……

「おめでとぉ〜!」

 考えながら戻った途端、ロイドさんがそう言った。
 正直なにがおめでとうなのかはわからない。
 藤堂さんは逃がしてしまったし、ゼロも……
「えっと……なにがですか?」
「さきほど正式にユーフェミア皇女殿下からスザクくんを騎士にってお話が来たのよ」
「え?」
 ユーフェミア皇女殿下の騎士?
 スザクは思わずセシルの言葉を反芻し、眉間に皺を寄せた。
「あれ?よろこぶと思ったのにぃ……どうかした?」
 ロイドの言葉にスザクははっと慌てて居住まいを正し、微笑を浮かべた。
 だがどうしても苦笑になってしまうのは仕方がないことだと思う。
「そのお話、断ることって……できませんか?」
「断る!?なんで!?どうしたのスザクくん!」
 名誉あることだと思うし、昇進は確実だ。
 名誉ブリタニア人ということであった格差を打ち消せる可能性だってある。
 それにユーフェミアは優しい少女である。これは決して悪い話ではない。
「騎士とはその人に生涯忠誠を誓ってその人のためになにかを為すじゃないですか……」
「それができない、と。そういうことぉ〜?」
「まぁ、そういうことです」
「恋人くらいならユーフェミア皇女殿下は許してくれるると思うけど」
「そうじゃないんです。僕は彼女の騎士にはなれないんです」
「んん〜?どぉいうこと?」
「僕には誰よりも優先しなきゃいけない存在があるんです」
 だから無理です。
 スザクは首を横に振った。
「最悪軍を辞めてでも断ります。元々俺がここにいること事態、本来守るべきものを危険にさらしてるんで」
 どうにも堅いスザク決意にロイドもセシルも口を閉ざした。



⇒あとがき
 きっとロイドが(内心嫌々で)シュナイゼルに頼んで騎士になるの断らせてランスロットのテストパイロットは続けさせられると思います。
20080325 カズイ
res

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