子ルルの決意に賛同をしたら
「スザク……僕は……ブリタニアをぶっ壊す!」
美しい紫苑の瞳に復讐の炎を宿し、少年―――ルルーシュは親友に言った。
優しかった母を奪い、可愛い妹を弱者とし、自分に生きていないと言ったあの父親など始めから父親ではない。
いつか―――今すぐには無理だ―――期が熟せばブリタニアをぶっ壊す!
ルルーシュの決意は固い。
あんな国があるから日本は弾圧され、名前を、権利を、名誉を奪われるのだ。
そんな優しくない世界は妹の目が見える時にあってほしくない。
妹想いのルルーシュの決意をまっすぐ見据え、スザクはルルーシュの手を取った。
「ルルーシュ」
優しいスザクの声音にルルーシュの肩がびくりと揺れる。
決意はしてもやはりまだ子どもなのだ、友にその意思を否定されるのではないかと肩がびくりと揺れる。
復讐に彩られていた狂気の瞳が揺らぐ。
「わかったよ、ルルーシュ」
できるだけいつもの笑みを浮かべ、スザクは頷いた。
「俺も手伝う。ルルーシュがそれを望むなら」
「スザク」
「俺だって日本取り返したいし……何よりお前ら兄妹は弱いからな。俺が守ってやらなきゃ♪」
「スザク……」
ルルーシュは不意に覚えた胸を締め付けるような感覚に胸元を抑え、熱っぽい視線でスザクを見つめる。
それに気付いてか気付かずか、スザクはその視線をにこにこと受け取っている。
戦場の渦中にあって、その光景は可愛いのではあるが少々異常であったと後に目撃者卜部は語る。
⇒あとがき
最後に卜部を出したことに意味はない!
20080325 カズイ