.6 黒の皇子と銀の貢物

「は〜い!今日はここまでぇ!」
 パンパンと手をロイドが叩いたのは時計がぴったり16時を指した瞬間だった。
「……あの、ロイドさん」
「ん?なぁにセシルくん」
「大丈夫ですか?」
「なにがぁ?」
「だって、ロイドさんからそう言い出すなんて……人類滅亡の前触れかと」
「失礼だね、君。それを言うなら天変地異の前触れでしょぉ?」
「……昨日の雨で風邪をひいたようにも見えなかったので」
「今、流したね。……僕は今日用事があるの。それで早く切り上げたいから朝から頑張ってたんじゃない」
「私はてっきり新しく採用されるパーツの互換性を調べたいから張り切ってるんだと……」
「まぁ、それもあるけどねぇ」
 にやにやと笑い、ロイドは自分のパソコンからディスクを吐き出させる。
「約束があるんだ〜」
「約束、ですか?」
「そ。八年越しのだぁいじな約束♪」
 ふんふんと鼻歌を歌いながらディスクをケースに仕舞い、ポケットへ入れた。

 それは大切な黒の皇子への貢物。



⇒あとがき
 青瞳と同じ理由で短いです。
 ……気にしたら負けです。←何で!?
20080622 カズイ
res

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