口論

「……わお。ごめんねうっかりぽろって」
「アリア……てめぇいつの間にアルトと入れ替わった」
「強いて言うなら今さっき?」
「こんの……非常識の塊が!!」
「うっ」
 オズマの遠慮のない一発の拳が私の脳髄にびしっと決まった。
 頭蓋骨に響いて頭ぐわんぐわんするよ、まったく。

「あの、隊長?」
「悪いが今見た事は今すぐ忘れろ。これは悪夢だ」
「悪夢って……アルト先輩じゃないんですか?」
「そうだよ」
「余計な口開くな非常識」
「私の名前は非常識じゃありませんー。アリアって立派な名前があるんですー」
「その言い方ムカつく」
「ぎゃー!痛い痛いー!!」
 ぐりぐりとオズマの拳が米神辺りを押す。
「生身であったが100年目、馬鹿な発言のツケを今のうちに払ってもらおうか?」
「やめてー!一応アルトの体なんだってばー!!」
 そう言えばオズマはぱっと手を離したあと、思いっきり舌打ちした。
「ひどい、アルトと私で対応が違い過ぎるっ!」
「当たり前だろうが非常識娘」
「……もういいや」
 ふうと仕方なく私はため息をつく。
「それだけオズマがアルトのこと大切にしはじめてくれてるってことで今の無礼は見逃してあげよう」
「なんで上目線なんだよてめぇは」
「別にいいじゃん」
 私の方が実年齢年上なんだし。
「……私の弟になるんでしょう?オズマくん?」
「そりゃてめぇの陰謀だろうが」
「失敬な!運命の演出だって言ったでしょ?」
「それを演出じゃなくて陰謀だって言ってんだろうが!」
「まぁまぁ!」
 額を小突きあわせて睨み合う私とオズマの間にミハエルが割って入った。
「とりあえず事情を説明してくれませんか?喧嘩してないで」
「喧嘩じゃねぇ!」
「そうよ、私はオズマを全力でからかって遊んでるだけよ!」
「アリア!」
「ふーんだ」
「子どもの喧嘩にしか見えません。後、アリアさん?上着をきてもらえませんか?ルカにはちょっと目の毒なので」
「うっ」
「……あらごめんなさいね。ぽろったまんまで」
「なんでアルトがあれでお前はこれなんだ」
「本当失礼ね、オズマは」
 失礼しちゃうわ。
 私はつーんと顔を反らすと、アルトが脱いでいた上着を掴んだ。



⇒あとがき
 なんか色々さーせん(´・ω・`)
20090120 カズイ
res

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -