しつこい先生




新しいクラスにまだ馴染んではいないけれども、皆が落ち着いてきた5月半ば。3学期制のうちの高校はテスト期間に入ろうとしていた。といっても、勉強を始めているのは極わずかだけれど。


「じゃあ沢村、この問題解いてみろ」

「先生、俺さっきもあたったんすけど」

「関係ないから」



ああそういや今は数学の時間だった。1時間目から何てことだ。嫌すぎて現実逃避していた。
寝てても怒らない先生を望んではいたが、やはりそんな神様はいない。その上この数学教師と来たら。


「わかりません」

「じゃあプリント一枚追加な」

「俺もう5枚もらってるんすけど」

「嫌なら答えたらいいだろ?」


とんでもなく意地の悪い人でした。いや人なんかじゃないな。眼鏡で十分だこんなやつ!
さっきから俺ばかり当ててきて、答えられなかったら数学プリントを渡される。
虐めだこんなの。他の子にはヒントとかやってるのに。いや俺が悪いのか?でも解こうとしてるんだぞ?けどマジでわかんないからわかりませんなんだぞ?ホントなんなんだあのくそ眼鏡ぇぇええ!!!!!




やっとチャイムが鳴って溜め息をはいて机に突っ伏する。もう本当に嫌いだあのやろう。半ば泣きながら悪態をついていると、鬼が俺を呼んだ。ああもうなんなんだよチクショウ!


「なんすか」

思わず不機嫌がそのまま声に表れたがかまうまい。

「プリントだ。明日までにやってこい」

「いや無理だろ」


もう俺は負けないと強く言い返したが、こいつには効いてないようで。黙ってなにやら考えているようだったので嫌な予感はしたが俺も黙ってプリントを睨み付けていた。すると上からため息が聞こえてきて、ああムカつくなこいつ。


(ため息つきたいのは俺の方だ!)




しかしながらはうえばー、心の中の叫びもむなしく、俺は牢獄に閉じ込められることになった。




「じゃあ放課後、数学準備室な?逃げたら片岡先生にちくっちまうぞ☆」










その笑顔に教室中に黄色い声が響いたのを、どこか遠くで聞いていた。





end


御幸が先生とか真面目に嫌だな(笑)教え方は上手そうだけど。






[ 2/5 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -