幸せになってください。

※ミツバ編、妄想、話軽く違う

嫌な人はすぐ逃げて!














なにもなく時間が進んだらいい。
たいした病気もせず、怪我もせず、普通に好きな野郎ができて、結婚して子供つくって年取って死んで。
そんな当たり前の生活をしてほしかった。
幸せになってほしかった。


「姉上…。」



返事はない。当たり前だけど。
唯一の身内が死んだ。大好きな人が死んだ。大切な人が死んだ。
今まで何人も殺してきた罰か。

冷えきって硬くなった手からはなにも感じられない。自分の眼から流れ落ちてくるものがひどく温かく感じた。



「姉上っ…!」



何度呼んだって、あの声は聞こえない。あの自分を包み込んでくれるような優しい声は。





なにもしてあげれなくてすいやせん。あなたを幸せにしたくて江戸に出てきたのに。



ありがとう。こんな俺を、自慢の弟だなんて言ってくれて。
胸が裂けるかと思うくらい、嬉しかった。
死ぬ前に、ちゃんと自分の口から言いたかった。



今言おうとしても、虚しく嗚咽が響く。




「総悟…。」


いつの間にか、野郎が後ろに立っていた。

話したくもない、声も聞きたくない。聞かせたくない。
けれど、

姉上の顔が微かに微笑んだような気がした。


「………で、」

「え?」

「な、んで…っ、アンタなんかっ!」

「総悟…。」

「なんで、姉上は…アンタなんか好きになったんでぃ。」

「………。」


そうじゃなかったら、もっと早く家庭もって幸せになってたかもしれないのに。

「アンタなんかが、あらわれるから………!!」





ごめんなさい、姉上。
俺はどうやらかなりの天の邪鬼らしいです。
野郎が姉上のためを思って離れたことも、俺の事を思って離れたことも、頭ではわかってるのに、どうしても野郎を責めてしまいまさぁ。

ほんと、ガキ扱いされても仕方ねぇや。






不意に頭を撫でられた。姉上が俺を撫でるみたいに優しかったから、姉上かと思ってついつい振り返ってしまった。
後でひどく後悔した。見なかったら良かった。



振り返った先には、優しげな瞳で哀しげに顔を歪める野郎がいた。


心臓が一回大きく脈打って、すとん、となにかが落ちた。

その途端に、自分の眼から同じだけどどこか違うものが流れ落ちてきた。


「土、方さん……。」


総悟…、と声がすると、途端に上から雫が落ちてきた。自分と同じものだった。




男は静かに哭いた。俺を撫でながら、姉上の手を俺の手ごと握りしめて、うるさすぎるくらい、静かに哭いた。
俺も同じように哭いた。





姉上が、





笑ってるような気がした―――。
















なんか衝動的に書いてしまった^^;
よくわからん(苦笑)
ミツバ編、ほんといいよね!O(≧∇≦)O
良かったら感想待ってまーす!

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