▼ プロローグ(仮)
「アイタタ...知りぶった..」
いきなりドスン、と勢いよく地面に落ちては、お尻を擦りながらも周りを見れば滅多にお目になんて書かれないのでは?と思う程の大きな図書館で色んな興味を惹かれる書物が沢山並んでいる。
今はそんなことよりも、何でこんなところにいるか、だ。
「あれ?さっきまで木の上で寝ていたのに僕はいつからこんなところ...は、ついに僕の能力が開花したのか!!」
フハハハ、と大きく高笑いを上げてはまはずはここから出ようと思っては出口を探し歩く。
長く続く老化を歩いた先に一つの大きな扉を見つけてはやっと外に出れると安堵するも束の間の出来事で、外に出てみればなんともファンシーな光景だった。
「僕は夢でも見てるのかもしれないな!こんなの、有り得ないからな」
勉学に励みすぎてしまったか...とひとり言い訳をごちりながらもよくあるアリスの物語みたいな景色に似ているし、極めつけはなんかひとりの男がこちらを見て微笑んでる。
なに、こいつ。
「...ここは、ひとまず逃げた方がいい...な」
くるっと回れ右をしてはきみの悪い男から逃げようと歩き出した時にふと異様なものに気がついた。
扉を出る前には指にこんな赤い糸なんてなかったし、てか絶対そんなものなかった
壱都は手を見ながら唖然としながらもとれどれ、どこ繋がってるんだ?と思いながら指を見てみればびっくり。気持ち悪い男の指にも同じ糸が紡いであるではないか。
「いやいやいや、ないよ。ないない」
「なにがないんだい?これは君と俺が繋がっている証拠なんじゃない?蒼井壱都くん?」
「すまない。蒼井壱都とは誰だ?僕の名前は魔王ルシファー5世なんだ。気安く関わらないで頂こうか」
額に手を翳してはザ、中二病ポーズを取りながらこのありえない状況を理解しないぞ。と壱都は非現実的なことをしながらも彼のことを見ながら紡いでは、それもあまり効果はなかったもよう。
同じ糸が紡いである男は軽快に手を叩きながら楽しげに「じゃあ、ルシファー5世様でいいかい?」と受け入れる態勢に壱都は心の中で大きく叫んだ。
「さて、僕は用があるからこれにて、さらば!」
「待って。やっと見つけた運命のアリス」
「待てないのだが...」
さり際に手首を掴まれ引き止められては振り切るわけもいかず、渋々と振り向いた。ほんとなんなんだこの男は。
僕は少しうんざりとしながらも適当に話を合わせておけばそのうち諦めるだろ。そんな考えで聞いていたら耳を疑う言葉が聞こえた。
「運命のアリス?」
「そうだよ。俺はザカライア。ずっと君のことを待っていた」
ザカライアは膝まづきながらも壱都の指に絡んでいる赤い糸にちゅ、と口付けを落としては嬉しそうに目を細めてながらもこれからきっと愛を囁かれるんだろう。
その時、何故か俺はそう思った。
「すまない。僕は普通の人間には興味が無い!!それではさらば!!!!!またいつか出会おうではないか!!下っ端の男よ!!!!!!!」
つーか、男が男に手のひらにちゅー、とかありえん。
実にありえない。
壱都の鼓動はドクドクと普段よりも何倍も脈打ち、顔も熱くなった気がする。
これは全部あなたのせい。
fin.
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