▼ ないしょのはなし
ないしょはなし。
葵瑠
「先輩って、前に彼女いたんですよね?」
「へえ、よく知ってるね。てか瑠唯に言ったことないと思うんだけど?」
はて、いつ俺は口をすべらせてたかなぁと思いつつもあまりそうゆう彼女やら彼氏がいたいないは話した記憶がない。
もしかしたらまた、新の悪ふざけなのかもしれないと頭を抱えつつも彼女がいた事はあったために、だんまりを決め込んだ。
「その...先輩って、僕の時ってもう童貞、じゃなかったんですよね?」
「............え?」
「だから、その...先輩って童て」
「はいはい、ストップ」
いきなりなんなのこの子
なんでそんなに俺の過去のアーッなことを沢山探ってくるの?え?もうおれいろんな意味で死期が近いのかも。
葵生は必死に乱れた心情を隠し、あくまでもそんな話を逸らそうと必死にするも次々と瑠唯からの爆弾質問に拍子抜けした顔や、なんと言っていいのかわからないと言った微妙な顔をしながらも、小さくため息をこぼした。
たとえ俺が瑠唯と付き合う前の子と関係があったとしても、俺の心はもう童貞だから。
「どっちにしろ、俺は瑠唯が大好きだよ。これじゃ不満?」
こてん、とわざとらしく首を傾げながら甘えるように問いかければ瑠唯は落ちてくれると知ってるから俺はわざとする。
だってこんな話題はコリゴリだよ。
「不満、じゃないです...」
「なら、いいじゃん。それでね」
ぽっと音でも出る勢いで顔を赤くする瑠唯に葵生は思わずくすくすと笑いを零しながらもそっと頬に手を伸ばしてはゆるりと撫でては額にそっと口づけを落とした。
額、瞼、頬と滑るように口づけを落として言っては、最後唇に触れるだけの口づけをしながらも合間、合間に好きやら愛してると紡ぎながら、彼と秘事を楽しんだ。
まあ、瑠唯に余計な情報を流したのなんて誰か。すぐに予想はつくから明日しばかないとね
ふふ、と薄く笑いながらも今はこの目の前にいる自分の可愛い恋人のことだけを考えようといちゃいちゃ、と続けた。
fin
「まあ、童貞だったとか口が裂けても言えない。かっこ悪いじゃん」
「...へえ、葵生さん童貞だったんすか?まじすか?へえ......」
「新、このこと口外したらお前の命はないからな」
「それよりも学校内では人目を気にしてください。二人、会う度にいちゃつくし、チュッチュするしマジで目の毒」
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