▼ ささやかな幸せを
澪+椿
「髪、貸して」
「澪、さん?」
美女は椿に近寄っては髪を触り、手櫛で整えながらも徐に懐から少し可愛らしい星の飾りがついたピンを取り出しては彼の髪につけてあげた。
「ん。似合うよ。君に、似合うと思って買ったんだ」
「…私に、ですか?」
「髪長かったでしょ?でも、短くなっちゃったから少しでもね」
小さく微笑みながら、よしよしと椿の髪を撫でながら告げる澪
少しでも辛かったことを忘れさせてあげようと少しの配慮を孕ませた行動
でも、白軍に来てからこの子は、ひどい思いしかしてないから、黒軍に言ったら、ちゃんと、幸せになって欲しい
「…悪い人に引っかかっちゃダメだよ」
「?澪さん?」
澪は少しだけ、あぁ、この子が他の人の手に渡るのは少し嫌だなっと思った。
でも、一番にこの子の幸せを願うのは自分だけでありたい
「さ、帰ろうか。寒くなってきたし」
「そうですね…」
「あ、そういえば、うちの唯子がね〜…」
「澪さん、もう妹さんの話は、いいです…昨日もたくさん、したじゃないですか…」
END
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