「風丸ー」
「ん?」

円堂のツインテールは風丸が毎朝結んでいる。今日も眠たい顔をした円堂は無気力に風丸に寄りかかる。円堂より華奢な風丸は支えきれず、円堂と共に倒れ込む。円堂は風丸を背中で下敷きに、風丸は円堂の背中に押し潰される。風丸は呆れたように円堂の額を叩いた

「眠たいのは分かるけど、ちゃんと結べないでしょ」
「んー」

朝に弱い円堂は中々身体を持ち上げようとしない。風丸は円堂のツインテールになり損ねた髪を指で遊ばせる。円堂が起きないことは一番知っている。

「遅刻するよ」
「ん"ー」

寝返りをうって風丸の隣に寝転ぶ。眉間に皺が寄っている。今日の1限の数学は円堂の苦手教科だ。これは。風丸は上体を起こすと円堂の横腹を擽った。

「!あははは、」
「狸寝入りだな!」

床を這い回る円堂と、それを許さない風丸。笑いすぎた円堂の呼吸があやしくなったところで風丸は手を離した。円堂はゼェゼェ呼吸を整えている。

「し、死ぬ…」
「円堂が悪い」

ぐちゃぐちゃになってしまったツインテールをみて風丸は溜息をついた。円堂は笑いすぎて流れた涙を拭いている。

「…髪、やり直したら1限に間に合わないかもね」
「!、風丸ぅ!!!」

飛びついた円堂をやはり風丸は支えきれず倒れた。円堂は猫のように擦りよる。そんな円堂をみて風丸は笑みを浮かべる。幸せとはこういうことである。


 
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