:そうありたいと願う


例えば、向日葵みたいな笑顔が僕だけに向けられたのなら

僕はきっと毎日負けないように笑う


『おはようございます!!円堂さん!』

『おう!朝から元気だな立向居』

早朝、窓の外で練習をする円堂さんの姿を見つけ、準備もそこそこ飛び出した

『おっ、俺も練習お供していいですか!?』

『ははっ、お供って、鬼退治に行くみたいだな!もちろんいいぞ』

円堂さんの笑顔はやっぱり眩しい

『え、円堂さんっ!!』

『ん?』

リベロの技を出そうとしている円堂さんを呼び止める

『あのっ、今日は俺が蹴ってもいいですか!?』

『おう!勿論いいぞ!!』

豪炎寺さんや鬼道さんのように強いシュートは打てないけど。

それから数回シュートを打つが、全て円堂さんに止められてしまう。

飛んできたボールを胸で受け、右足でキープした

『円堂さんはリベロもキーパーも出来て、本当にすごいですよね!俺、本当に本当に尊敬していますっ』

円堂さんは照れたように笑った

『立向居はすごいって言ってくれるけどよ、俺は立向居もすごいと思うぜ?』

『えっ』

『そうだ!立向居もリベロ技やってみようぜ!立向居なら絶対出来る!』

円堂さんは俺の所へ走って来た

『お、俺は円堂さんみたいにリベロまで出来ないですよ』

『何言ってんだ!やる前から諦めるな!』

豪快に笑いながら円堂さんが俺にボールを投げてくれた

『は、はいっ!』


まるで初めてサッカーをするみたいだ、きっとチームメイトでこんな初歩練習をしたのは俺が初めてだろう。

何だか嬉しくなった。

『立向居は飲み込みが早いから、直ぐに覚えそうだな!』

まるで自分の事のように喜んでくれる

『…、本当ですか?』

『ああ!当たり前だ!』

やっぱり太陽みたいだ、俺だけに笑いかけて欲しいなぁ、なんて。

『円堂さんが言うなら、俺頑張りますっ!』

『そうか!じゃあ俺も手伝うよ!』

『円堂さんが手伝ってくれるんですか!?』

『ああ!』

これは思わぬ収穫だ、今起き始めたチームメイトが聞いたらきっと般若のような顔をするだろう

『円堂さんが手伝ってくれるなら、俺、出来そうな気がしますっ!』

また太陽が笑う、その光に浴びるのが俺だけになる日は近い!(かもしれない)



 
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