※これはひどいバダップのキャラ崩壊
慰める
:優しくして悲しみや苦しさを忘れさせ、心を和やかにしてあげる。
ぐず、と鼻をすすったのに気付いたバダップがこちらを向いた。
俺は慌てて後ろを向いたが、バダップがそれを許さなかった為、俺たちは向き合う形になった
『……何故泣く』
バダップが怖い顔で問い掛ける、俺は鼻水と涙で首を横に振る
早くこの場所から去りたかった
『…待て、円堂』
待てもなにも、俺の腕を掴んでいるのにないだろうに
表情こそいつもと変わらないが、バダップは焦っているようだ。…何に?
『…俺は、何かしただろうか』
ぎゅう、と掴まれる腕に力が入っている、痛い痛い!何に動揺しているというのだ、バダップは
俺はとにかく首を振って、腕を引いてバダップとここから離れようとするが、相手は1歩も動かない。まるで石だ
喋りたいが、口を開くと鼻水が酷い事になるから出来ない
いつまで経っても同じ行動をする俺に、ついにバダップが眉を下げ始めた
ずびずび、これは危ない、早くここから離れなくては…
ぐい、とバダップの肩を引っ張った所で、バダップは勢い良く顔を上げた
『!?』
その顔が真剣過ぎて思わず動きを止めてしまった。
『…い、』
バダップはすごく真面目な顔をしたまま、俺をみる。赤い瞳には、俺がくっきりと映っていた…一体どうしたっていうん、
『い、痛いの痛いの!!飛ん、でい、けっ!!』
バダップは顔を真っ赤にしながら、半ば自棄に叫んだ。
『…』
呆然とする俺を見て、バダップはまた焦ったような困ったような表情をした
『なんてことだ、き、効かなかったか…』
どうやらバダップは呪文を唱えたらしい、小さいにだけ使えた懐かしい呪文だ
『…すまない円堂、俺には呪文が使えないようだ…、だが、放っておけない、泣き止んで欲しい』
何も悪くないのにバダップが泣きそうになっている、俺はポケットに入れていたティッシュの存在を思い出し、それで喋れるように鼻をふく。
『バダップの呪文、ちゃんと効いたぜ!ほら!涙も止まったぜ!』
バダップには嘘をついた。
本当は花粉症で、今みていた桜は綺麗だけどデートが楽しみで黙っていた事を、そして、まだ目がゴロゴロする事
『!そうか』
『ああ!すごいなバダップは呪文が使えて』
『…ああ、だが円堂にしか使わない』
『そうしてくれ』
ゴロゴロする目を我慢して、笑った
でも、バダップの呪文が効いたのか、さっきよりは痒くなくなっていたのも事実だった。
何だか嬉しそうなバダップをみて、俺も嬉しくなった。
――――――
バダップに言わせたかったんですが、これはひどいぞ
バダップは天然でアホの子でも可愛いと思ったんです。スーパージャンピング土下座