泳いでいるような、漂っているような、地に足がつかない不安と少しの冒険心に身を任せる
「あ」
そういえば今日の天気は晴れだった。そういえば昨日の晩御飯はハンバーグだった。何でもない記憶が過ぎっては消えて、過ぎっては消えていく
真っ白になっていく頭の中、ふわりとオレンジ色が広がった。オレンジ色は彼の色だ、いつも眩しくて真っ直ぐな
「あ」
そういえば彼の名前を呼んだのばグランだった。あいつは寂しがり屋だから、月が綺麗な夜は彼の名前を呟いている。彼は知らない、知らなくていいんだ。グランが生きたのは昔の事にしないときっとまた繰り返してしまうから、寂しがり屋はもう封印しなければ
「あ」
そういえば最近彼と会話をしていない。挨拶はするが、「暑いね」とか「お疲れさま」とか人間らしい会話コミュニケーションをとっていない。ヒロトが新しい必殺技を身に付ければ彼はまたこちらを向いてくれるかもしれない
どうしたら彼は俺をみてくれるだろうか、ふわりふわり漂う感覚に尋ねても答えはない
「あーあ」
どしん、だか、どたん、だが。とにかく大きな音を後ろで聞いた。背中に衝撃を感じて音源は自分であることを理解する。脳震盪を起こしているのか視界がぐらつく、そこで先程の浮遊感は落ちていたのだということに気付いた。
「ヒロト!」
駆けてくる足音、欲しかった彼が近付いてくる。オレンジ色のバンダナが眩しい。泣き出しそうな表情の彼の為に涙を拭う腕だけは外してくれば良かったと後悔。変な方向に曲がった腕では持ち上げることもできない、ごめんね
ところで、誰だったっけ?
―――――
ガチ宇宙人基山ヒロトが書きたかったはず
!:)エイリア学園†血液検査
緑色(ガチ宇宙人)→ヒロト
蛍光ピンク(甘い)→グラン
青(ドロドロ)→涼野
赤→南雲