※円堂さんが柴犬っぽい設定




『ただいま』

『おかえり源田!』

家の扉を開くと、待ってましたとばかりに小さな影が走って来た。

ぴょん、と飛び付いて来たその小さな身体を受け止める

『いい子にしていたか?』

『もちろんだ!なぁ、それより今日のオヤツは!?オヤツっ!』

『コラ、暴れると落ちるぞ』

エナメルバックを下ろし、台所に向かう。

『今日はマフィンだ』

円堂が届かない高さに隠しておいたマフィンを取り出せば、途端に瞳が輝く

『うまそー!!早く食おうぜ!』

『ああ、』

尻尾が腕に当たって擽ったい

『俺、源田が作るの好きだな』

円堂をテーブルに乗せ、マフィンを皿に置いた

『そうか?』

『ああ、俺の為に作ってくれるから、特別うまいんだ』

カプリとマフィンにかぶりついた円堂は、人懐こい笑みをみせた

『…そうか、じゃあ夕飯のピーマンの肉詰めも円堂の為に作るんだから、残さず食べれるな』

『えええ!ピーマン!?』

見るからに青い顔をする円堂、へなへなと下がる耳が愛しい。

『食べきったら明日はプリンにしようか』

『本当か!?』

『ああ、約束する。その前に円堂、』

『ん?』

俺は円堂の口端についたマフィンの欠片を取り、口に含む

『食べる前は?』

『!』

はっとしたような円堂がマフィンを離し、綺麗に両手を合わせた。

下がっていた耳は勢い良く天を向き、可愛い八重歯が覗いた。


『いただきます!!』

俺が円堂の為に作ったものを、円堂が美味いと言う。

それは幸せな事だと、再びマフィンにかじりついた小さな獣をみて考えた。




(召し上がれ)
2011.1/17


 
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