自己内疑問

身体だけは一人前に大人になっていくのに
心だけは一人前に子供を気どっている。
合わない歯車は軋んで壊れていく。
僕はそんな歯車をいつまで抱えてくんだ?
大人の心は何処にあって、
子供の身体は何処にあるんだ?

そう、探している間に
汚れた両手を見下ろしては、
陽の色にも、錆の色にもにも似た、
どうにも汚くとも綺麗な色に
染まってしまったものだと、
口元を歪め笑う僕は狂っているようだ。

ただ愛されたいだけなのに、
ただ愛したいだけなのに。

いつだってそうだ。
地球は僕を置き去りにして廻っていく。
神様なんか信じない僕なんか、
神様の地球には不必要とでも言うように。
それなら、こっちから願い下げだよ。

世界を愛することを止めて数日。
蟠った、まだ世界を愛したい部分が割れて
自我を持って僕にナイフを向ける。
あぁ、僕ですら僕を置き去りにするのか。
とうとう僕は、正真正銘独りぼっちだ。
ねぇ、置いていかないでくれ、
置いていかないでよ。

世界に射す陽は僕には眩しすぎるようだ。
世界が僕を弾き出そうとしているのか。
目が潰れていくような眩暈が、
僕を死の淵へと連れ去っていくんだ。

僕を置き去りにした筈の僕が、
小さな手に握る不信感と猜疑心のナイフで
僕の血管(ライフライン)を切り裂いて。

「狭い視界じゃあさ
 どうせ何も見えてないんでしょ?
 真実も、理も、君を愛するヒトの事も」

そんな事を言う僕のいた、
ぽっかりと空いた心の穴に
何を埋めれば満たされますか?
虚ろに濁った瞳の中に
何を映せば満たされますか?
赤の他人でも愛すれば
軋んだ心は元に戻りますか?

いつになれば、
世界は僕を愛してくれますか。
いつになれば、
僕は世界を愛することができますか。

あぁ、馬鹿なのは僕だけだ。


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20130306



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