相傷


「嫌いだ、お前なんか」
叫んだ言の葉は空中分解
涙浮かべた瞳は眈々と
首に噛み付く瞬間を探して

なんて可哀想な仔犬さん(笑)
お前はずっとずっと永遠に
僕を餌代わりに眺めてなよ
その内美味しく食べてあげるから

長い爪が皮膚を抉って
見えた肉細胞の間から
真っ赤な血が滲んで零れて
それでも狂った顏で笑ってる

なあ、早く速くもっと速く
踊ってみせろ 殺してみせろ
嫌いだと罵ったその口で
僕の首を喰い千切ってみせろ

この関係だけが僕らの繋がり
お互いに自分を重ねて殺して
壊れそうな自分を保ってるんだ
そんな僕らの相傷は最高だろう?

死ぬときは一緒に死んでくれよ
そしたら地獄に行ってもさ
また殺し合えるだろう?
なあ、愛しの愛しの仔犬さん?


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

20130131


[ 65/71 ]

[]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -