僕と紅海月




花弁を頭に乗せて
ゆらりゆらり流されて
君は何処へ行くんだい?
地に足を着けることもなく
星の帯を靡かせて
ねぇ? 可愛い可愛い紅海月

僕はボンベが無ければ
生きていけないこの空間に
君は昔から変わらない姿で
ゆらりゆらり踊っている
僕もこんな重いものは
地に捨てて君と踊りたいよ


花弁を頭に乗せた
君の仲間達がゆらりと
君を連れ去っていく
君はさして気にすることなく
仲間達と行ってしまうんだね
星の帯を靡かせて
ねぇ? 可愛い可愛い紅海月

僕に君を愛せる手があるなら
直ぐにでも君を抱き止めるのに
君を構成する世界は
そうはさせてくれない
僕も君と同じ存在になれたなら
思考は捨てて踊りたいよ


時が経つのは早いもので
君がいなくなって早数年
僕はと言えば髭が伸びて
背も幾らか伸びてしまったよ
君と逢える日はもうこない
でも、最後に、最期にもう一度


月の綺麗な夜に海へ
月明かりが波間に輝いて
素足で押し寄せる波を割いて
僕に歩み寄る影が一つ 踊る
星の帯を靡かせて

花弁を頭に乗せて
ゆらりゆらり流されて
君は昔と変わらぬ姿で
地に足を着けることもなく
星の帯を靡かせて
ねぇ? 可愛い可愛い紅海月

あぁ 君にまた逢えた
ゆらりゆらり踊っている
君の手を取って一緒に踊る
僕は涙腺が壊れてしまうくらいに
嬉しくて堪らないけど
君も同じ気持ちだったら……



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20130113


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