20/21




幾千の嘘と死

光を覆い隠す深い霧

彼は立ち向かう

仲間と共に

固い絆を秘めて



嘘は真実に

真実は嘘に掏り替わる

どんなに足掻こうと

無駄なことだと

偽りの神は宣う



それでも彼は

霧の中を走る

たった一つの真実を求めて

ひたすらに走る



‐閑話‐


国造りの二柱の神は

黄泉比良坂にて

離別することとなる

その際に一柱の神は

「私は一日に千の命を殺そう」

入口を塞ぐ岩の彼方側から叫ぶ

するともう一柱の神は

「なら私は一日に千五百の命を生もう」

入口を塞ぐ岩の此方側から叫んだ

そして今もなおも

呪いとも思える誓いは続いている



‐閑話休題‐


そして彼は

千を殺す呪いに打ち勝った

彼が仲間と共に

たった一つの真実を見つけた瞬間だった

やっと終わったんだと

彼等は笑いあった

それと同時に訪れる

明日には彼と仲間達は

遠く離れ離れになるという現実



「離れてたって」

「俺達は一人なんかじゃない」

「そうだろう?」



仲間の言葉に彼は頷いた



「          」



遠ざかる電車

去りゆく彼と

追いかける仲間達

涙と笑顔が零れる別れ

彼等の心の中には

ほんの少しの寂しさと

沢山の未来への希望が満ちていた

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

大丈夫、俺達は絆で繋がってる
もう歩みは止めない
止まっても君が俺の背を
強く、押してくれるだろ?


20120320/20120321





[ 51/71 ]

[]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -