君が最初にくれた色は、



ヘッドフォンの向こう
囁く誰かの声
君は一体誰?

色の無い俺の世界に
君の声が鮮やかに色をつける

正体も分からないのに
何故か懐かしく感じる君の声
ただ耳を澄まして
記憶のなか
無数の声を彷徨った


ヘッドフォンの向こう
囁く誰かの声
君は一体誰?

雪が降ったある日
再び俺の世界は色を失った

正体も分からないのに
何故か懐かしく感じる君の声
ただ耳を澄まして
記憶のなか
無数の声を彷徨った


見つけた
見つけてしまった
宝物のように大事に隠された
記憶の中の、君を


ヘッドフォンの向こう
囁く誰かの声は
親友だった君の声で

数年前の雪が降ったある日
俺の世界が色を失った

もう声すらも聞くことはない
そう思っていた君の声
ただ耳を澄まして
記憶の中の声と
君の声を照らし合わせれば
君がまた
目の前に立っているようで
静かに目を閉じる

雪が降り続く世界に
一人、横たわって
君が迎えに来るのを待った



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

色を失った僕の世界に
君が最初にくれた色は、赤だった

20120225


[ 46/71 ]

[]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -