僕と影法師



ゆらゆら、ゆらり
暗闇に浮かぶ灯籠
長く伸びゆく影法師
空を見上げれば儚く、きらり
落ちたのは星だったのか
それとも君の涙だったのか
はたまた僕の夢だったのか
分かるのはきっと
僕でも君でもなくて
居るのかも分からない
神様だけだ

夏祭り
ざわめく人の山
影の落ちる神社の隅
ひとり眺めてた
大きく咲いた花火

ゆらゆら、ゆらり
揺れる僕の影法師
地に落ちた僕の夢は
他人事のように
僕を嘲笑って
宵闇に熔けて、消えた

僕は人が生む噂
熱が冷めれば
忘れられて消えるだけ
僕の影法師みたいに
誰にも気付かれずに過ごした
自分を自分で殺す
とある夏の日

「もう僕が生まれることは」
「無いんだろうね」

ゆらゆら、ゆらり
暗闇に浮かぶ灯籠
ただ立ち尽くす僕
空を見上げれば儚く、きらり
落ちたのは星だったのか
それとも君の涙だったのか
はたまた僕の夢だったのか
分かるのはきっと
僕でも君でもなくて
居るのかも分からない
神様だけだ


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

20120219




[ 42/71 ]

[]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -