【dex...】
――これが、僕と君の出会いだった。
【dex...】
それは、今思えば偶然的必然の上にあったのだ。
「初めまして」
そう話しかけてきた君。
君が話しかけてきたのは偶然。しかし僕がそうなるように仕掛けた必然。
「………」
だけれども、君の一言で僕が恋に堕ちたのは偶然。いや、もしかすると、君がそうなるように仕掛けた必然なのかもしれない。
「?」
この瞬間に、僕達はお互いの策略(遊戯盤)の上に乗ってしまった。
「これから、よろしくね?」
鷲色の瞳を持った彼が笑い、右手を伸ばす。
果たしてどちらが先に潰されるのか。
「………」
僕自身も右手を伸ばして、彼の手を握る。
基本的に体温の低い僕と、相対的に温かい体温の彼。
「……よろしく」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
そして三年後に僕は、君から訣別しよう。
僕が君を殺(愛)してしまう前に
[ 30/71 ][←]