【dex...】

――これが、僕と君の出会いだった。

【dex...】


それは、今思えば偶然的必然の上にあったのだ。

「初めまして」

そう話しかけてきた君。

君が話しかけてきたのは偶然。しかし僕がそうなるように仕掛けた必然。

「………」

だけれども、君の一言で僕が恋に堕ちたのは偶然。いや、もしかすると、君がそうなるように仕掛けた必然なのかもしれない。

「?」

この瞬間に、僕達はお互いの策略(遊戯盤)の上に乗ってしまった。

「これから、よろしくね?」

鷲色の瞳を持った彼が笑い、右手を伸ばす。
果たしてどちらが先に潰されるのか。

「………」

僕自身も右手を伸ばして、彼の手を握る。
基本的に体温の低い僕と、相対的に温かい体温の彼。

「……よろしく」


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

そして三年後に僕は、君から訣別しよう。
僕が君を殺(愛)してしまう前に



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