廁とは絶好の秘密の隠し場所だ 03


 土方にくどくどと言われ、沖田は嫌々見回りへ行った。そのときにこっそりと土方のマヨライターに何かを仕込んでいったのを山崎は見た。


「ったく、あいつは……」


 のそのそ出ていった沖田が立っていた場所を、まだ沖田がそこに居るかのように睨みながら、土方はマヨライターを出した。


「面白い方ですね、あの人」


 奨が控えめに笑いながらそう言えば、土方は不満そうに眉間に皺を寄せる。


「あれはただの悪ガキだ――」


 土方は最後まで言葉を言い終えることが出来なかった。


 火を点けた瞬間、ライターから何か不穏な音がしたかと思うと、ボンッという轟音と共に爆発した。


「…………」


 絶句する土方。


「やっぱり……」


 誰にも聞こえないくらいの声で、そう漏らす山崎。


「ト、トシ!?」


 驚いて叫ぶ近藤。


「マヨ方くんせっかくのお顔が黒焦げですな〜」

「ですな〜」


 ニヤニヤとしながら囃し立てる銀時と神楽。



「面白い方ですね、あなたも」


 奨が控えめに笑いながらそう言えば、土方は煙が出ているライターを机に叩きつけ、


「――総悟ぉぉぉぉぉ!!」


 そう叫びながら、今しがた沖田が出ていった道を全速力で駆けて行った。


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