廁とは絶好の秘密の隠し場所だ 02


「す、奨! だだだ大丈夫でしたか!? ああ酷い顔になって……」


 円がいち早く奨に駆け寄り、その両手で奨の顔をペタペタと触る。


「何もされてませんよ。良く見て下さい」

 酷い顔呼ばわりされた本人は、口調だけは落ち着いた様子で答えた。


「あー良かった! あの人怖そうだから心配しちゃったよ」

 笑顔でそういう円の後ろに、“怖そうなあの人”が仁王立ちしていた。


「円、後ろにその怖そうなマヨネーズが居るアル」


 神楽の指摘に、首を捻り後ろを向いた円は、


「きゃあっ!! 出た!」


 そう短く叫んで奨にしがみ付いた。


「人を化け物みたいに言うな。つーか怖そうなマヨネーズって何だ」

「全くだぜィ。マヨネーズじゃなくてマヨラーの間違いだろ」


 しかしタバコを吸いながら円を見下す土方は、怖そう以外の何者でもなかった。


「つーかてめっ、総悟 見回り当番の時間だろうが」

「大丈夫でさァ。サボりです」

「一つも大丈夫じゃねェェェ!!」

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