小ネタ | ナノ


「あ、そや、さっき部室に見たことない女来とったねん」
「新しいマネジャー志望ちゃいますか」
「いやそれがオサムちゃんと仲良う喋っとってそないな雰囲気ちゃうかったし…靴紐の色からすると二年やねん、財前なんか知らん?」
「……ええですか謙也さん、みんながみんな謙也さんみたいに話した人みんな友達やないんですわ、分かります?」
「俺かて話した人みんな友達ちゃうわ。どんだけ俺のこと馬鹿にしとんねん」
「謙也さんのことやからてっきりそないな勘違いしとんのかと、」
「なわけあらへんやろアホ。せやけどどっちか言わんくても目立つ方やであの女。いくら自分でも分かるはずやねん」
「言うときますけど俺クラスメイトの名前もよう分かりませんよ、興味ないし」
「アレ、ほら、レディーガガみたいな髪した女やで?」
「どの時期のガガすか」
「どの時期っておま、レディーガガ言うたらアレしかあらへんやろ!あの髪型やろ!全くこれやからパソコンオタクは」
「…真っ白いボブ時代でええですか」
「そうそれや!ほかに何があるっちゅーねん!せや、あの髪型の真っ黒バージョンに、夏や言うんになんやよう分からん真っ黒いブレザー着とったな、あと真っ黒いリュック!えらいでっかく金色でアディダス!書いとるやつ」
「どんだけ黒いねん」
「ほんまに真っ黒やってん。で肌がまた異常な白さでな、ハイターにでも浸けたんか思ったわ」
「一応聞きますけど、その女、背170くらいありました?」
「あーあるかもしれへん。オサムちゃんより気持ち低いくらいやった」
「ならそれユウジ先輩の彼女っすわ」
「へえ、そうなん…って、なんやて?!」
「クラス同じごっつ個性的な女、で、ユウジ先輩の彼女っすわ」
「あいつ彼女おったんか!小春はどこいったんや!」
「何でもユウジ先輩と委員会一緒やそうで、一目惚れして以来二年越しの恋だったらしいっす。小春さんが言うてはりました」
「なんやねん…なんやねんあいつ…何で俺に何も言わんとあんなべっぴん…」
「謙也さん気づいてへんかったんや」
「なんやねんその俺以外はみんな知っとるみたいなそんな…え?ちゃうよな?」
「みんな知っとりますよ」
「いや、嘘やん。金ちゃんは知らんやろ」
「知っとりますよ」
「……千歳は、」
「こないだ彼女さんの頭ぐりぐり撫でてユウジ先輩にしばかれとりました」
「え?そうなん?」
「みんな知っとりますよ」
「え、」
「みんな、知っとりますよ」




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