小ネタ | ナノ


「はあ先輩と一緒にホラー映画観てきゃーこわーいってなったわたしを先輩が優しく抱きしめてそのまま貞子そっちのけでソファーでメイクラブしたあと先輩が煎れてくれた38℃くらいの紅茶飲んでたら途中で貞子に逆恨みされてなんやかんやあって結果的に先輩とわたしの二人で地球を救いたい」
「…へぇ」
「ああ先輩とわたしで地球救いたい」
「俺はまずお前のその残念な脳みそを救ってやりてえがな」
「ある意味これこそが貞子も逃げ出すレベルのホラーだよね」
「まっことでござるな」
「ああ先輩…先輩…」
「…ったくマジで何で石田なんだよマジで。マジ」
「見てよ旦那、目がハート」
「…おぉ」
「あっそうだ」
「What?」
「今度ツタヤから呪怨借りてくればいいんだ」
「リングじゃねえのかよ」
「呪怨はやめといた方がいいんじゃない?旦那アレ観たあとしばらく一人でトイレ行けなかったしね」
「佐助!」
「ほぉ、随分な武勇伝じゃねえか、真田幸村」
「あっあっあのおなごは!布団の中からも出て来るのでござる!油断ならぬ!」
「あっわたしも最初アレ観たあと寝る前ベッド下の確認と布団内の確認は怠りませんでしたよ」
「そうであろう!ましてや一人で厠など…あのおなごの思う壺ではないか!」
「いやあのひと実在しないからね」
「そんなことは分からぬ!いるやもしれぬ!」
「ハッ、ガキだな」
「なんと!ならば政宗殿はあのおなごが迫ってきても平気であるということでござるか!」
「なわけねえだろ。軽くちびるわあんなん近付いて来たら」
「えっなにそれ旦那以上にガキじゃん」
「だから、俺はそんなもん観ねえんだよ。最初っから」
「じゃあどうして呪怨は知ってるんですか?」
「あれ前に金曜ロードショーみてえなので流れただろうが。ああいう日曜洋画劇場系のは見ねえと気が済まねえんだよ。おかげで何回ちょいちょいCM入るとなりのトトロ観たか知らねえぜ」
「某もでござる!」
「ほたるの墓はあれ何回観ても泣くよね」
「じゃなきゃ死んでもあんなホラー観ねえよ」
「でも、わたしにはホラーが必要なんです」
「きゃーこわーいってするために?」
「はい、そしてソファーで先輩とメイクラブするために」
「石田の旦那は多分絶対そんなことしないよっていうのは言っていいの、これ」
「言ってもきかねえだろ、こいつ」
「…ああ」
「ところで佐助、めいくらぶとは何であるか」
「……それは後々ね、」
「やっぱり今日ツタヤで呪怨2借りてきます。個人的に2の方が好きなんで」
「いや待て落ち着け、そして冷静に考えろ。石田の野郎がお前の持ってきたDVDを、」
「呪怨2です」
「わかった、呪怨2を、大人しく観ると思うか?あの石田が」
「先輩ならおそらく観てくれますよ。この前わたしが持参した“リリィ・シュシュのすべて”ですら一緒に観てくれましたから」
「…Pardon?」
「くだらん、とか言ってましたけどね。あ、最近狙ってるのは“うさぎドロップ”なんですけど全然準新作になってくれなく…て……なんでしょうか?」
「お前、DVD鑑賞してんのか」
「石田の旦那と?」
「はい、たまに」
「どこで」
「先輩のお宅です」
「えっ」
「先輩のお宅大画面のREGZAだしブルーレイも完備だし恵まれてますよねえ、ほんと」
「えっちょっと待って俺様ちょっと、えっ」
「おいてめえヌケヌケと石田んち行ってんのかよ、一人で」
「はい、わたしのような消しカスで作ったネリケシレベルの人間が先輩のお宅にお邪魔するのはたいへん気が引けるのですが、」
「なに、石田の旦那が連れ込んでんの?」
「構わないと言って下さるので、甘えてしまって…ああわたしはなんて罪深いことを!わたしの馬鹿!ワラジムシ!先輩の嫁!」
「おいなんだよ最後のは」
「俺様としたことが、そんな大スクープキャッチできてなかったなんて…くそ」
「佐助…気に病むな…」
「つーか、あの野郎やっぱこいつをモノにしようとしてんじゃねえか」
「つい先日、早く手篭めにせねば盗られてしまうと三成殿にハッパをかけた者と同一人物とは思えぬお言葉にございますな」
「…いいぞ旦那、もっとやれ!」
「モノにはめちゃくちゃされたいですけど、先輩はそんなんじゃありませんよ」
「馬鹿野郎、男はみんな狼なんだよ。あのモヤシもな」
「いやあそういう笑えるのか笑えないのか微妙なラインの冗談やめてくださいよ笑えるから」
「笑えるんじゃねえかよ」
「でも、竜の旦那がほざいてやがることも間違いじゃないよ」
「おい猿、」
「うむ。いくら三成殿と言えど………は、は、は、破廉恥でござるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
「幸村先輩はいつ見ても楽しそうでいいですね」
「…Me、too.」
「だからhoney、これからあいつんちに行くときは銃の一丁や二丁、持ってきな」
「殺す気満々じゃないですか」
「でも本当、銃まで行かなくても、第六天魔王の一人や二人」
「もっと殺す気満々じゃないですか」
「あーなんだろうなこの感じ」
「切ないっていうか、虚しいっていうか」
「アレだな。野良だと思って夕飯の残り物とかやって可愛がってた猫が実は飼い猫だったみたいな」
「しかも良いとこのね、あっなんか逆に残飯やっちゃってサーセンって感じの」
「ああ、それだそれ」
「某はてっきり、副会長殿の一方通行だと」
「俺もだ」
「俺様は、まあ満更じゃないくらいだと思ってたけど、まさかね。これもうおうちデートじゃないの?」
「おうちデート(笑)だなんて有り得ないです神と下僕の数時間です」
「そのわりには充実してそうだけどね」
「もちろんです。わたしは先輩といるだけで天にも昇る気持ちですからね!」
「近いうちに違う意味で昇天させられるかもな」
「竜の旦那、」
「チッ、お前は小十郎かよ」
「片倉殿に諌められ、佐助に諌められるとは、政宗殿はまことに子供でござるな!」
「真田てめえ真顔でそういうこと言うのやめろ、マジで」




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