二人で集会室に向かった。途中で田中にも会った。どのクラスも体育祭委員には体育部の生徒が選ばれるらしく、みんなほとんどが校庭や体育館で見たような顔だった。苗字はなんかちょっと緊張するね、と笑った。委員長を決めて、今度は種目の内容を決めたり、流れや運びを決めることになった。



「じゃあ次は組ごとに分かれて、組別対抗リレーと横断幕について決めてください」



実行委員長の一声でみんなががたがたと席を立った。基本的に体育祭での順位はクラスごとだが、組別にやる種目もあって、それらは三学年で力を合わせて作り上げるものだった。俺は苗字と一緒に四組の委員を集めた。



「あれ、月島じゃん」

「菅原さん…」

「え、スガの後輩?」

「そう、今年入ってきた一年だよ」

「うわあ大きいね」

「別に、バレー選手だったらこのくらい普通ですよ」



月島も四組だったとは、知らなった。そしてこの物言いを誰にでもするのだなとわかってなんだか笑えた。彼も体育部に所属しているというだけで体育祭委員に選ばれたようだった。一年四組からはもう一人バスケ部の女子が、二年四組からは野球部の男子とテニス部の女子(苗字の後輩)がそれぞれ選ばれていた。ひとつの集まりからぎゃいぎゃい煩い声が聞こえてくると思ったらそれは一組で、田中と日向がいた。それは、煩くなるわな。



「よし、じゃあ横断幕だけど、四組のカラーは緑だから緑を基調にすればいいかな」

「それでいいと思います」

「なんて書きます?」

「燃えろ!とかでいいんじゃない」

「ちょっと、緑に燃えろ!は合わないんじゃない?もうこれだから男子は…」



意外に六人での話し合いは活発だった。というより俺は提案をするだけで苗字は書記の役割を果たしていて、後輩たちが積極的に話し合ってくれていた。もちろん、その間に月島は興味なさげにシャーペンを机の上で転がしていたが。



「菅原さん、緑基調にスローガンは『鼓舞激励』にしましょう」

「いいね。わかった」

「センス悪…」

「こら月島、何も決めてないんだから文句は言うんじゃないよ」



俺がぼそりと呟いた月島をたしなめると、「スガって部活ではお母さんみたいだね」と面白そうに笑っていた。「お母さんって…」と複雑な気持ちになっていると「それで澤村がお父さん。あってるあってる」と一人で納得して頷いていた。月島が嫌そうな顔をしているので「なんだよその顔は!」と言ってやった。

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