太陽に向いて咲く | ナノ
春色に変わってく


サッカーよりは野球派。夏の高校野球とかたまに見るくらい。プロ野球はお父さんがよく見てるけどよくわからないかな。まあまあ好きだけど。うちの高校は野球部が強いから、たまに試合は見に行く。それくらいの普通の女子高生だ、私は。そんな私が今年同じクラスになったのは野球部の御幸くんと倉持くんで、二人とも試合に出ているレギュラーなのは知っていた。彼らが一年生の時から試合に出ているのは知っていたし、漠然と凄いなあだなんて、ぼんやり考えていた。ただ、それだけだった。彼らとは特別な関わりもないまま今年は終わるだろうと、これもまた漠然と考えていた。



「ヒャハハ!お前また寝坊してたな!監督の顔、ありゃ凄かったぜ」

「黙れよ倉持、お前もだろー」

「俺はちげーよ!あの馬鹿のせいだ全部」



倉持くんのあの特徴的な笑い方に目つきの悪さ、そして御幸くんの何を考えているのかわからない感じといい、あの二人はどこか近寄りがたかった。みんな彼らが我が校の野球部のレギュラーということで一目置いているのは確かだったが、だからといって彼らと特別仲良くしている人はあまりいない印象だ。二人とも授業中はよく寝てるし、授業以外に何をしているかと言ったら野球一色なのだろう。他人と仲良くする暇もないのかな、なんて。たまに言い合いをしつつもなんだかんだ一緒にいる二人をたまに観察していた日々に終止符が打たれるだなんて、思いもしなかったのだ。



「お前、ちょっと時間あるか」


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