飴玉ひとつでリコは喜び、笑顔を浮かべる。高校生にもなって…とか思うよりも先に単純にカワイイなと木吉は思った。貰った飴をおいしそうに口の中で転がすリコ。すると甘いフルーツの香りと共に、桃の味が口いっぱいに広がった。思わず頬に手をやり、笑みをこぼすリコに木吉は笑顔になった。

「鉄平、最近この飴ばかり買うわね。好きなの?」

不思議そうにそう尋ねるリコに木吉は「まあ気に入ってる」と言うが(リコが)という言葉は飲み込んだ。リコの笑顔が見たいがためにリコの好きな飴を買ってるなんてとても言えなかった。そのことは秘密にしていようと思っていた。しかし、リコが笑いながら言った言葉を聞いて木吉は驚く。

「私がこの飴好きだからなんでしょ?知ってるわよ」

くすくすと楽しそうに笑うリコに木吉は敵わないなカントク様には。とふざけた言い方をした。リコは綺麗な笑顔を見せて、まだまだね、とウインクしてみせた。


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