▽日向視点

今日は練習を早めに切り上げてカントクの家で今後の対策を立てていた。気づけば午後7時で、腹が空く時間になっていた。カントクは気を遣ってコンビニでおにぎりやお菓子を買ってきてくれた。オレ達は一回休憩を入れてそれらを食べることにした。けど、カントクはおにぎりじゃなくチョコを手に取り口に入れる。その瞬間カントクは顔を赤くして倒れた。オレ達は慌てて駆け寄って声を掛けたが何の反応もない。寝て、る…?

「ビビった!突然倒れるんだもんカントク」
「チョコにブランデーが入ってたみたいだな。っつっても微量だけど」

本当に、こんなに微量で酔うかよ普通。カントクって酒弱いんだな、少し意外。可愛い…っていやいや。そんなことどうでもいいだろ。何言ってんだ。それにしても、ここに寝かせとくわけにはいかねえしベットに運んだ方がいいよな?

「ちょっとそこどけ。コガ、お前だお前!」
「え、オレ?ってちょっとストップ!何でカントク抱っこしてんの?」
「ベットに寝かせた方がいいだろ?風邪ひかれたら困るのオレらだし」

…ものすごい殺気を後ろから感じる。うわ、黒子がブラックなオーラを出してる。すっげ出してる。火神も怒ってるけど、黒子は明らかに違う。息を吸うのも恐ろしいわ、このヤロー。

「日向、オレが代わろうか?ていうか、代われ」
「は?ふざけんな」
「そうそう、伊月じゃなくてオレに任せてよ」
「コガは絶対無理だ」
「ひどい!」

だあもうめんどくせえ。カントクをベットに運ぶだけでなんでこんなに時間が掛かるんだっての。もういっそのこと起きてくれカントク。小さくそう願ってみると、カントクはゆっくり目を覚ましてこう言った。

「お姫様抱っこだぁ。私一度されてみたかったのよねー…嬉しい」
「「(可愛い…)」」

まだ酔いが醒めていないだろうカントクは目をトロンとさせて、微笑んだ。あまりにもその笑顔が可愛くて、オレ達は見とれてしまった。そしてそれからしばらく動けなかった。


だって女の子ですもの!
title by 待ってて神さま


BACKNEXT


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -