付き合い始めて2ヶ月経った今日、栄口くんと久々に二人で出かけることになった。最近は試合や一日練習や色んなことがあって忙しくてそんな暇なかった。だから、久々のデートを前々から楽しみにしていた。どんな服を着てったら喜んで貰えるかな、お化粧気づいてくれるかな、そんなことばかり考えてしまう。

早く、早く会いたい!

私はお洒落をして台所へと向かった。台所に置いといた手作りのお弁当をつかむと、急いで出かけた。

「んーっと…まだ時間あるから来てないよね?」

いくらなんでも20分前はいないよね。って、あれ?私は待ち合わせ場所に立つ一人の男の人を見てびっくりしてしまった。まだ20分前なのに、もうそこに栄口くんがいた。私は急いで駆け寄って声をかけた。

「栄口くん!集合時間、私間違えちゃった?」
「ううん、違うよ。俺が早く着いちゃっただけだから心配しないで!」

栄口くんは爽やかな笑顔を浮かべて、そう言ってくれた。いったいいつから待っててくれたんだろう、そんなことを思って聞いてみると30分前くらいとそれも笑顔でこたえた。なんだかすごく申し訳ない気がしてきた。

「ごめんね…?私ももう少し早めに来ればよかったね」
「篠岡は気にしなくていいよ!俺が好きで早く来ただけなんだから!な、なんかさ久々のデートで家にいると落ち着かなくて…」

栄口くんは照れながらそう言ってくれた。私は嬉しくて、そして不覚にもときめいてしまった。こんなに嬉しいことは滅多にない。栄口くん、やっぱり好き。

「ありがとう、栄口くん!」
「うん!」



「わあ!これ、篠岡が作ったの?」
「うん。栄口くんの為に作ったんだけど、食べてくれる?」

正直、誰かの為にお弁当を作ってあげたことがないので不安。自分しか食べたことがないし、自分では結構自身あるけど…。やっぱ、おにぎりだけにすればよかった、かな…。不安になりながらもちらっと栄口くんを見てしまう。

「お、」
「お?」
「おいしい、!篠岡!やっぱり篠岡は料理上手いよね!」
「ありがとう!良かった、栄口くんに喜んで貰えて」

本当に良かった。これでまずかったりしたら、折角のデートが台無しだし雰囲気が悪くなるもんね。それにしても本当に嬉しい。おいしそうに自分の作ったお弁当を頬張る栄口くんを横で見ていることができる。なんて幸せなことなんだろう。

「篠岡食べないの?」
「あ、食べる!え、と、ウインナー貰っていい?」
「いいよ!っていうか作ったの篠岡なんだから遠慮しなくていいじゃん」

栄口くんはそう言って笑った。言われてみればそうだな、なんて言ったらまた笑われた。こうして二人でのんびり過ごすことができてよかった。また明日からいつものきつい練習になるけど、一緒に頑張れる気がする。いつも傍には栄口くんがいるから。にこと微笑むと栄口くんも微笑んでくれた。


∵言葉にできないくらい


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