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》桜乃総受け/跡桜表現強め
》桜乃:竜崎財閥の一人娘
》世間知らずのお嬢様な上天然娘

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とあるお金持ちの家に生まれた少女、竜崎桜乃。気立てがよく誰にでも優しいので、皆に愛されている少女。そんなある日、跡部財閥のダンスパーティーに招待された。

「わ、わぁ…っ!大きい会場…!」

桜乃お嬢様は跡部家のダンス会場に足を運んでいた。パーティーを断る理由なんて何一つなかったから。ダンスは子供の頃から教わっていたので、ダンスだって踊れる。テーブルマナーなども完璧である。しかし、他に問題点が1つあった。それは、極度の恥ずかしがりやだということ。

「こんなドレス着て来ちゃったけど浮いてないかな…?さっきから見られているような気がするし…」

桜乃が着ているドレスは、薄いピンクのマーメイドラインであった。『マーメイド』、人魚の名の通り、くびれたラインから裾が人魚のひれのように広がっているのが特徴のドレス。スレンダー、プリンセスよりも落ち着いたシルエットになっており、桜乃を可愛いから綺麗に変身させていた。アクセントとして背中には薄紅の小さなリボンがついていた。髪はゆるく巻いて横にまとめ小さめの髪飾りをつけるだけという簡単なものであった。そんな可愛い桜乃に話しかけた男がいた。

「あ、桜乃ちゃん」
「き、菊丸先輩!?そ、それに皆さんも…!」

桜乃に話しかけてきたのは青学テニス部所属の菊丸英二。しかし菊丸以外にも白石や幸村…、他県のテニス部もいた。

「桜乃ちゃんそのドレス似合ってるにゃ!」
「あ、有難う御座います」
「桜乃ちゃん、セクシーやなそのドレス。俺とエクスタ「それより元気やった?桜乃ちゃん」

白石の変態発言は見事に謙也の台詞でかき消された。桜乃の頭には?マークが浮いていた。

「皆さん、今日はどうしてここに?」
「跡部に呼ばれたんや」
「そうそう、俺達も跡部さんに呼ばれたんスよ」
「そうなんですか!私ずっと1人でいたんで心細かったんです…皆さんに会えて嬉しい…っ」

はにかみながらそう言った桜乃の頬は少し赤くなっており、それはもう破壊力抜群の可愛さであった。予想通り男共はばきゅんと一発でやられた。

「さ、桜乃ちゃん可愛すぎや!」
「もうなんでこんなに可愛いんじゃ…」
「…?」

当の本人は何の自覚もしてないのでほんわり笑顔を浮かべているだけであった。しばらく楽しい会話が続いていたのだが、白石の台詞でそんな会話はなくなってしまった。

「桜乃ちゃん俺と踊らん?」
「で、でも私ダンスはそんなに…」
「別に気にせんでええで?俺は桜乃ちゃんと踊れるだけで十分やねん」
「それなら…いいですよ」

白石の申し出を承諾した桜乃だったが周りの男達がそれを許すはずがなかった。

「ちょーっと待つぜよ白石」
「抜け駆けか?白石」
「白石だけズルイやんか!わいも竜崎と踊るんや!」

大きな騒ぎになることを防ぎたい桜乃だったがどうすることもできずおろおろしていた時、跡部が登場した。

「何騒いでんだ、アーン?」
「跡部さんは黙っててください!」
「な、なんだと鳳!」
「今、竜崎さんと踊るのは誰か決めてるところなんです!」
「そうや!俺様野郎は黙っとき!」

「………っ」

跡部の中で何かが切れた音がした。今まで本気で怒ったことがない跡部だったが、今回は怒りがおさえられないらしい。黒い笑顔で桜乃の方を向き、手を差し伸べた。

「もし宜しかったら踊っていただけますか?」
「え、で、でも皆さんが…」
「気にしなくていい。いいから俺様と踊れ」
「あ、は、はい…」

一回目は優しい誘い方だったがさすがに何回も言うのは恥ずかしいらしく命令口調になっていた。そんな2人のやりとりに気づかないテニス部メンバー。2人がダンスを踊り始めてからやっと気づくことになる。

「まぁ!まさに美男美女ね!」
「美しいわ!」

跡部と桜乃のダンスは優雅で美しく、他の参加者たちを魅了した。踊っている本人達の表情も綺麗でなおかつ楽しそうで、おとぎ話に出てくる王子様とお姫様のようだった。

「…くやしいけどあんな表情俺達じゃさせてあげれんわ」
「そうだね、跡部だからこそできることだね」

そう悔しそうに言って帰って行った。満足そうに跡部は笑った。


「今日は楽しかったです。有難う御座いました」
「アーン?俺様が一緒にいたんだ。楽しくないわけないだろ?」
「ふふっ…そうですね」
「またパーティー開くときは連絡する」
「楽しみにしてます」


∵Shall we dance?



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