「竜崎さん、さようなら」
私は悪い夢をみた。それは、幸村さんが私の目の前から消える夢。思い出すだけでも、恐ろしい。幸村さんに会いたい。会って、安心したい。この胸の不安を打ち消したい。気づいたら、私は走っていた。
「竜崎さん」
幸村さん。良かった。良かった、幸村さんはいる。何だか安心して涙が出そうになる。幸村さんは私を不思議そうな顔で見ている。そうだよね、突然会いに来て泣きそうな私を見たら不思議に思うよね。
「どうしたの?竜崎さん」
「いいえ、なんでもないです!」
「?」
こんなこと言っても、笑われちゃうもん。幸村さんの顔見たら安心したしこのことは私の心の中に閉まっておこう。もう不安になることなんてないから。幸村さんはいなくなることなんてない。大丈夫、信じてる。
「明日も来ていいですか?」
「勿論だよ」
―明日は手作りのお菓子を持って来よう。
∵消えないように約束をよう
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