※パラレル



「比呂士お兄ちゃん!おはようございます!」
「はい、おはようございます」

近所に住む比呂士お兄ちゃん。とても優しくて、頭がよくて、私の憧れのお兄ちゃん。

「お兄ちゃん!昨日は自主勉強を3時間やったんです!お兄ちゃんに教わったところもしっかり復習しました!」
「桜乃さん、エラいですね。きっと、テストもいい結果がでますよ」
「だといいんですけど…」

比呂士お兄ちゃんに言われるとすごく安心だけど…。やっぱり心配だな…。

「桜乃さんなら絶対大丈夫ですよ。自分をもっと信じてあげないといけませんよ」

柳生はそう言うとぽんぽんと頭を優しく撫でた。桜乃は柳生の優しさに包み込まれているような感覚がして自然と笑みが零れた。

「お兄ちゃん、ありがとうございます」
「…あともうひとつおまじないです」
「え?」
(あ、れ…?お兄ちゃんの顔が近いような…)

カプッ

「は、はわわわ!?え、お、お兄ちゃん!?」
(い、い、いまいまいま…鼻に!お兄ちゃんが私の鼻にカプって…!)

「緊張しないおまじないです。よく効くそうですよ?」

柳生は笑いながらそう言った。桜乃は顔を真っ赤にして学校に向かって走っていった。柳生はその後ろ姿が見えなくなるまで見ていた。


∵お兄ちゃんのキモチ
(これで男と意識してくれるでしょうか…)



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