夏休みを利用して俺は桜乃に会いに行った。

「桜乃、会いたかった」
「私もです、財前さん」

愛しい恋人に久々に会えた財前は、すぐに抱きしめる。桜乃はきゃっと驚きながらも抱きしめ返した。

「ほんま嬉しいわ…」
「…ずっとこうしていたいです」

桜乃は財前を抱きしめながらボソッと言った。顔を真っ赤にしてそう言う桜乃はあまりにも可愛すぎて財前の理性はグラグラと。

(か、可愛…っ!あーもー俺やってずっとこうしていたいわ!)

「財前さん?あ、嫌でしたか…?」

財前の必死の形相に勘違いをした桜乃は、悲しそうな表情で財前を抱きしめる力を抜いた。財前の体温が一瞬で下がった気がした。

「違うんや…このままこうしてたら桜乃のこと…その、」
「…?」
「無理やり抱いてしまいそうや…」

その声の大きさはとても小さく桜乃に聞こえるかどうかぐらい。しかし財前は桜乃をしっかり見つめながらそう言った。桜乃は突然のことで驚いた。しかしすぐに微笑んでこう言った。

「財前さんが相手なら構いません。私は財前さんが思っている以上に財前さんのことが大好きなんですよ?」
「…っ!」

(いつも内気な桜乃が、こんなに大胆なこと言うなんて・・・)

「でも…そういうことはもう少し先でええわ」
「え…?」
「好きな子だからもっと大事にしたいんや」
「財前さん…」
「こんなこと言っといてアレなんやけど…もう1回抱きしめてええ?」
「は、はい!」


∵答えはYESしかありません



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