りんご飴、わたがし、焼きそば、ヨーヨー、射的、チョコバナナ、カキ氷、イカ焼き…夏祭りには夜店がたくさん出ます。そんな夏祭りに、今年は彼女も誘おうと意気込んでいる少年が数人…。

「ってことでー!竜崎を誘おうぜぃ!」
「ふふっ…一緒に行けるといいと思うけど、竜崎さんにも予定はあるだろうから」
「あぁ、それじゃ早速連絡!」

丸井は鞄からスッと携帯を取り出して、電話をした。いつ、桜乃のケー番を聞き出したのか。不思議に思い、立海メンバーは首を傾げていた。

「あっ、竜崎?今度、こっちででかい祭りあるんだけどさ…うんうん…了解。改札で待ってるからな、気をつけて来いよ?じゃな」
「その様子だと、OKもらえたようだね」
「ナイス丸井先輩!いつもデブン太先輩って言ってすいませんっした!」
「分かればいいんだよぃ!」

丸井はバチッとウインクを決めて、帰り支度を始めた。まだ練習が残っているのにどこに行く気なのか。

「丸井、まだミーティングが終わってないよ」
「あ、俺ちょっと用事あるんだよぃ」
「何の用事かな…丸井」

どす黒いオーラを身にまとい、冷たい視線を送ってきた幸村。その視線に絶えられず、しかたなく丸井は白状した。

「「新しい浴衣を買いに行く?」」
「久々に、竜崎に会えるんだから少しでもかっこよくして行きたいじゃんかよ」
「よし、今日のミーティング中止。浴衣を買いに行くことにする」
「「異議なし」」

丸井の言葉を聞いて、闘志に火がついたのかミーティングまでなくしてしまった。「こいつにだけは負けられない!」そんな心の声が漂っている。

***

「おっ!竜崎会いたかっ「久しぶりだな、幸村」

桜乃の声とはまったく違う、低い声。どう聞いても男の声にしか聞こえない。

「「ひょ、氷帝!!!!!」」
「な、なんで跡部たちが!?」
「桜乃が立海のやつ等と祭りに行くという情報が入ってきたんでな。急遽、ヘリでここまで移動してきた」

(ど、どこからそんな情報が来るんじゃ)
(珍しく仁王くんも驚いてますね)
(失礼な言い方じゃのう、柳生)

「跡部たち、帰ってもらえるかな?」
「なんだと?」
「幸村の言うとおりだ。先に約束を交わしたのは我々立海だ」
「そんなのどうだっていいんだよ」

((この自己中キング!))

「あ、あの…っみ、みんなで回るのは駄目…ですか?」

桜乃は言った。桜乃の身長だと自然と上目遣いになってしまい、可愛さが倍増している。しかも目も潤んでいるので、健気度までupしている。

「「ぜんぜんオッケー!」」
「わぁ、じゃ早速行きましょう」


∵天然と書いて桜乃と読む
((OKしてどうするんだよ!!))



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