視線の先には、君がいる。いつもいつも、君がいる。君はいつになったら気づいてくれる?俺の存在に、俺の視線に、俺の気持ちに、嗚呼、俺はどうしたらいいのだろう。

「…とり…」
「んー…」
「鳳!!」

跡部の怒鳴り声で起きた長太郎だが、まだ眠そうに欠伸をした。

「今日は青学との練習試合だって言っただろうが!居眠りなんかすんじゃねぇ!」
「青学…?」
「とっとと、着替えて出かけるぞ」
「はい!」

そう、今日は青学との練習試合の日。しかし長太郎はそんなことも忘れて居眠りをしていたようだ。

(青学ってことは、竜崎さんに会えるんだ!)

長太郎はあまりの嬉しさに胸を躍らせた。



「今日は宜しく頼むぞ」
「あぁ」

両部長が挨拶を交わしている間、長太郎はずっと桜乃を見つめていた。ポーッとうつろな目で見惚れていた。いつもと違う桜乃の髪形に、いつも以上にドキドキしていた。

「「……」」

(ここまでくるともうなんも言うことないわ)
(さっさと告れっての!)

なんだかんだいってもやはり後輩の恋は応援したくなるもの。

((長太郎頑張れ!))


∵視線の先には必ず君がいる



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