▽少し注意/茜視点

ねえ、シン様。大好きです、愛しています。私の気持ち受け取ってくれますか?何でそんなに怯えているんですか。私のことちゃんと見てください。目をそらさないで、私だけを見て。私以外を見るシン様なんて嫌い。大嫌いです。シン様の瞳は私しか映しちゃ駄目なんですよ?ねえ、そうでしょう?…違う?そんなはずない。シン様は私のこと嫌いなんですか?じゃあ、どうして、どうして私を見てくれないの…っ、ねえ、どうして…っ、

「…いや…あっ、ゆ、め…?」

私の視界に一番に入ってきたものは真っ白な天井、多分場所は学校の保健室。どうしてこんなところで寝ていたのか全然分からない。とりあえず起き上がらなくちゃ…あれ、起き上がれない。どうして…?体が縫い付けられたみたいにベッドから起き上がれない。というより体が重い。そう思いながら横に人の気配を感じて、横を向けば、

「…シン、様」
「山菜おはよう。気分はどうだ?」
「どうして、ここ、に?」
「グラウンドで倒れた山菜を運んだのは俺なんだが…覚えていないか?」

シン様は私の問いに優しく笑って答えてくれた。そう言われてみればそうだった気がする。うん、そうだ。確かにグラウンドで倒れた私を運んでくれたのはシン様。ああ、何で気失っちゃったんだろう、もったいない。凛々しいシン様を撮るチャンスだったのに。ああ、もったいない。

けど、これは別の意味でチャンスかも。シン様を私だけのものにする、チャンス。もう二度とないかもしれない。ちょうど保健室の先生は会議に出ていていない。ああ、今しかない。横で私に優しく微笑みかけてきたシン様の口にそっと口付けて言った。

「シン様の心臓ください」


かみさまの心臓はどこにあるの
(一つしかないあなたの心臓をわたしに)

title by Endless


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