▽映画その後(捏造)

白竜とシュウが率いるチーム・ゼロを倒してから数週間経った今。シュウは何事もなかったかのように、それが当然というかのように雷門中学を訪れるようになった。誰に会いに来ているかなど聞かなくてもわかる、一目瞭然だ。グラウンドに足を踏み入れ真っ先に葵に抱きつき、挨拶代わりのキスをした。頬といえどキスはキス、最初こそは驚いていたが会うたびにされるためもう驚きはしない。何の反応も示さず、部員の練習風景を見つめていた。シュウは自分に興味を示さないのが面白くなく、後ろから甘えるように強く葵に抱きつく。ぎゅうと音がしそうなぐらい抱きしめるが葵は苦しいよ、と言うだけでシュウの方を向きもしなかった。面白くないどころか、イラついてきたシュウは葵を無理やり自分の方に向かせて、唇に口付けた。

「ちょっ、シュ、シュウく、んっ?」
「葵は、僕だけしか見ちゃ駄目だよ」
「でも…、私はマネージャーだから、」
「そんなの関係ないよ。葵は僕のもの…僕がそう決めたんだ」

そう言って再びぎゅうと今度は正面から抱きしめられ戸惑う葵。可愛らしい見た目とは違い意外と力のあるシュウ。葵がどんなに抵抗しても逃げることはできそうになかった。周りに助けを求めようにも、誰一人として葵とシュウには気づいていない。どうしよう、と必死で頭で考えようとするがシュウに抱きしめられているという事実が思考回路をショートさせた。

「〜〜っ」
「葵、大好きだよ」

にっこり笑ってそう告げるシュウに葵は真っ赤な顔で参りました、と呟いた。


愛を優しく口ずさんで
title by 宇宙

−−−−−−
某様へ捧げます。お誕生日おめでとうございます。


BACKNEXT


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -