- ナノ -


木ノ葉隠れ創設編

-繋がり-


それからのセンリはいつも通り明るく過ごしていてきっと誰もセンリが親しい友達を戦争でなくしたなどとは誰も分からないのではないかと、穏やかな笑顔を見る度に扉間は思っていた。

仲間や家族をなくしたのはセンリが例外ではなく、戦争が終わると聞いてもしばらく忍達は無念の空気に包まれていた。今回、二年弱の戦争を経て、特に若い世代の忍達の考えは少し変わったようだ。

ダンゾウは戦争で父をなくし、戦が終わると聞いてもその表情は固く、晴れなかった。親をなくした子ども達は他にもいたので自分が哀しみにくれている暇など無く、子ども達と触れ合って心を癒したりとセンリは日々を忙しく過ごす事になった。

戦争が終わり、死んだ者達の遺品整理や、戦いで疲弊した体の休息などが繰り返されて徐々にではあるが街を往く忍達も以前通りに戻りつつあった。


センリが里に帰ってきてから数週間後には何年も前から検討していた五影会談が正式に開かれる事が決まった。


湯の国の建物を借り、その一室で会談が行われる事となり、各影には側近の忍を一名とし、護衛の忍達は五人までという限られた条件を出した。そして会談に参加できるのは五影とその側近一名の十名だけだ。柱間とマダラなら護衛の忍は必要無いように見えたが、結局猿飛サスケと日向一族の忍だけが着いていく配置になった。


センリは会談が行われる日の前々日の夜にすべての尾獣を体から巻物へと移した。巻物には、それぞれ七を抜いて二から八までの数字とその周りに術式が現れて尾獣がそこに封印された事を意味している。
予想はしていたが、尾獣が体から抜けると体の力も一緒に抜ける様な感覚に襲われセンリは当分無理は出来なさそうだった。


柱間もマダラも心配した様子だったが、本来尾獣を抜かれた人間は死ぬところを、少し疲弊する程度におさめられたセンリに驚愕もしていた。センリが言うには『一週間ほぼ飲まず食わずで極限のサバイバル生活してきた直後の感覚』だ。全身の怠さが半端ではなかったが、それも丸一日経てばかなりマシになっていた。

特に人柱力であるミトからは本当に大丈夫なのかと何度も聞かれたがセンリはそれに笑顔を見せられるくらいの元気はある。だがそれでも共に湯の国へ行く体力があるかどうかは分からない所だったし、特にマダラが「行くな」と口うるさく言うので会談は残念ながらセンリは欠席せざるを得なかった。


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