- ナノ -


木ノ葉隠れ創設編

-火影と側近-


その次の日の夜、柱間に呼び出されその旨を伝えられたイズナが帰ってくるとセンリは心配そうに見つめたが、イズナの様子を見る限り話を受けたようだ。

「姉さんも兄さんも知ってたの?」


あたたかい味噌汁を啜り、イズナが二人に問いかけた。


『うん。まあね……。イズナならきっといい先生になれるよ』


センリはイズナが子どもの面倒を見ることが割と好きなことは知っていた。面倒見はいいが、大人子ども関係なく厳しく接するマダラとは違い、イズナは一族の子どもに対して優しさがあった。子どもたちの修業にもよく付き合っていた。センリはイズナにとっていい職になるのではないかと思っていた。


「姉さんにそう言われたんじゃやるしかないな。子どもたちを忍として育てるだなんて予想もしてなかったけど……」


イズナは割と快く受けてくれたようだ。センリは安心のため息を吐いてマダラを見た。


「イズナなら子どもたちからも慕われるだろうな」


マダラもイズナが施設講師になる事にはそれなりに賛成だった。兄であるマダラにもイズナの写輪眼をなくした心情は分かっていたからだ。


『マダラはちょっと怖がられてる時あるもんね…』

「別に俺は何もしてない」


センリがしみじみ言うとマダラは眉を寄せてセンリを見た。


『この前もマダラの事見た女の子が泣きそうになってたし……前髪切ったら?イズナみたいに短くしたらもっと明るく見えるよ』


センリはマダラの長い前髪をじーっと見つめながら言った。イズナはマダラと違ってその前髪は眉上辺りでバッサリ切られている。


「面倒だ」

『出たなマダラの必殺・面倒節』


結構面倒くさがりなところがあるマダラ。センリは茶化すようにご飯を口に含むマダラに言う。


「これから寒くなるから髪があった方がいいだろう」


髪質は違えど背中まで長く伸びた髪はマダラもイズナも一緒だ。


『んん、そっか。たしかに髪の毛あった方があったかいよね』

「必殺・姉さんの単純脳」


今度はすかさずイズナが言うとマダラがまさにその通りだと笑みを漏らした。

十二月に入り寒さが増したが、里をつくり色々な一族の文化が入り、電気も通るようになって電気ストーブなどの電化製品もそれなりに普及してきてかなり生活しやすくなった。こたつも探せばどこかの店に売っているだろう。その他にも食料や装飾品もたくさん新たなものが増えた。

今度マダラと一緒に色々見に行こうとなんて、ふとセンリは思った。

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