- ナノ -


木ノ葉隠れ創設編

-三代目火影-


ヒルゼンが三代目火影に決定するまでは、早かった。元々二代目である扉間が直々に命名していた事もあり、国の大名も一切の反対をしなかった。里の住民達はとにかくヒルゼンが戦争をどうにかしてくれる事を祈っていた。



雲隠れのクーデター事件を機に、雷影もすぐに三代目が決定し、木ノ葉にもクーデターを起こした金角部隊は早々に始末したとの報告が届いた。しかし三代目雷影は二代目の考えを継ぐ事に迷いがある様だ。


「振り出しに戻ったか……」


三代目雷影が同盟を結ぶ気が無い事を聞いてマダラは深くため息を吐いた。

扉間とイズナは善戦したらしく、金閣銀閣共に負傷させていた為、早々に雲隠れの忍達に金角部隊は抹殺されたようだったが、状況がまた最初に戻ってしまった事は確かだった。

扉間とイズナが殺されてしまったが、ここで残された雲隠れに憎悪を向ければ、二人の死が無駄になるという事は、センリも、それからマダラも分かっていた。雲隠れも里長を失くしたのだ。ここで感情的になるべきではない事を、既に二人は知っていた。


『クーデターを起こされたから、雲隠れはだいぶ警戒してるみたいだね…。今雲隠れの里に行くのは危険そう』

「そうだろうな。しかし、三代目になった雷影は二代目程ではないが、良識的だと聞く。こちらから無理に催促せずに待てば、機会はあるかもしれんな」


今の所は雲隠れとも大きな戦いが起きていない為、雲隠れも火影を殺害してしまった責任を少なからず感じているのかもしれないとセンリは考えていた。


『他の国にも手紙を送ってみて成果なしだったけど、雲隠れは戦争をこれ以上大きくしたくないみたいだね』


センリは雷の国以外にも何度も書状を送り付けていたが、返事は帰って来なかった。雲隠れからの攻撃は無かったとしても戦争が終わる訳では無い。

ここで怯んでいるわけにはいかなかった。



ヒルゼンは扉間の意志を継いで引き続き多くの忍を前線に送っていた。ここで気を緩めればそれに気付いた他里の忍達にやられるだけだ。

何か策はないのかと模索しているうちにどんどんと時間が過ぎていった。
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