- ナノ -


木ノ葉隠れ創設編

-第2次忍界大戦-


その頃の里の平和はこれから何年も続くと思われていた。



しかし平和の終わりは呆気なく、そして戦いの火蓋が落とされるのは突然だった。


戦争が始まった。

前回の戦争より約二十年後の事だった。
前回より始まりは唐突で、何の前触れもなかった。宣戦布告よりも先に、木ノ葉の忍達が襲撃をうけたとの報告を受けたそれが、次の瞬間には五大国を巻き込む大きな戦争へと変貌したのだ。



大きな原因はそれぞれの里に対する不平不満、平等不平等の問題だった。

木ノ葉には元々それ程大きな問題もなく、物資の通りもよく天候や地形、人口にも恵まれていたが、他の国はそうではなかった。領土の拡大、それから他里に押し入り何とか従わせる為、理由は様々あったが小さな不平が重なり、何年も我慢した結果の戦争とも言えた。

特に豊かな土地と才ある忍を多く保持している木ノ葉隠れには相応の忍達が戦いを挑む事になるだろうと予想出来た。


ただ、全てが唐突だった。

センリが驚く暇もなく扉間はすぐに戦争の為に備え、前回と同じように早々に忍達へ連絡をした。

しかしやはりここでもどの程度まで忍達を戦場へ送るかが問題になってくる。センリは子どもを戦場へ出さないよう扉間に要望を告げたが、扉間は頷いてはくれなかった。


『今の子どもたちは戦争を知らない。いきなり戦場に送るなんて、』

「しかし、前回と違い現時点で戦争を経験してきている忍の数の方が圧倒的に少ない。いくら若くても戦力になるならそうする他無い」


前回の戦争や戦国時代を経験してきている者は今となっては少ない。戦争経験の無い若い忍を送り出さなければならないのは仕方の無い事でもあった。
それはもちろん譲れない事ではあったが、センリの言いたい事が分からない扉間では無かった。


「もちろん、戦場に出る忍は制限もする。下忍や、戦場に行く覚悟の足りぬ者は戦場には出さない。それぞれの上忍やその者達の意志を優先して、戦うという気持ちがある者だけを選出して班を組んだ」

「もう各班にどの地点に向かうかは伝えてあるから、後は準備が整い次第向かってもらう。一先ず早々に国境付近に向かわせなきゃ」


扉間に続けてイズナが素早く言った。センリはその言葉に安心はしたが、そうも言っていられない。


「俺達はどうする」

「もうしばらく木ノ葉で待機してくれ。戦闘が始まってから、劣勢の場所へ向かってもらいたい」


扉間の答えにマダラは小さく頷いた。


「センリもまだ木ノ葉に。分裂体も一先ずはいいだろう。前回より優秀な医療忍術を使える者が増えているがまだ状況は分からんからな」

『分かった』



前回戦争を経験したからか、準備期間は圧倒的に早く、忍達はすぐに戦場へ向かって行った。

それでも戦争を経験した事のない忍の緊張は言葉では言い表せない。各班の隊長は精神面でも若い忍達を支えねばならなかった。
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